トークンエコノミーの時代には、トークンによる資金調達手段が可能となります。株式IPOのようなハードルも高くなく、スタートアップが簡単に資金調達が出来るようになります。
セントラリティ(CENNZ)というトークンは、2018年1月15日12時にICOを行い、たった6分で約100億円相当のトークンが売り切れた伝説のICOがあります。
投資家も小額から投資ができるので、ハードルが下がりましたし、成功した場合には何百倍もの資産が構築できるという夢があります。
しかしながら、成功の裏には、プロジェクトの頓挫や詐欺などもあり、信用という面では発展途上の資金調達手段です。
ICOのメリットを活かしつつ、信用されるものにしていくものとして、IEOやSTOが出てきていますが、それらの概要だけでも知ってますか?
これらの概要とメリットやデメリットについてもお話をさせていただきました!
トークン(仮想通貨を含む)を発行して資金調達を行うICO(Initial Coin Offering)が一時期流行りましたが、プロジェクトが頓挫したり、詐欺が横行したことから、ICOはほとんど行われなくなりました。
今はIEOが主流です。また、担保価値をヘッジするSTOも注目されています。スタートアップなどが独自のトークンをブロックチェーン上で発行し、一部を市場で販売することで資金を調達します。
この時、企業が持つプロダクトやサービスと信頼性が重要となります。従って、企業側はホワイトペーパーと呼ばれる企画書のようなものを発行し、投資家に公表することでプロジェクトの有用性を主張します。それらのメリット・デメリットについては押さえておくべきです。
IEO(Initial Exchange Offering)イニシャル・エクスチェンジ・オファリング
IEOはInitial Exchange Offering の略称で、ブロックチェーンプロジェクトの発行するトークンを、仮想通貨取引所が先行販売するサービスを指します。IEOに参加すると、投資家は市場で一般に取引が開始される前の価格でトークンを購入することができます。IEOの参加者は公開価格より低い値段でトークンを購入できます。
BinanceやHuobiといった海外取引所が積極的にIEOを行っており、市場でも多くの注目を集めています。これらの取引所は、自社が発行するトークンを一定数保有しているユーザーへIEOの参加資格を付与しています。
IEOはICO(Initial Coin Offering)と異なり発行主体が明確に存在し、販売する取引所が責任を負います。ICOトークンはパブリックなブロックチェーン上で発行されるため、発行や販売に対する責任の所在が曖昧である場合が多いです。IEOトークンは取引所への上場が決まっているため、ICOトークンより投資リスクが低めと言えるかもしれません。
<IEOの成功事例>
・BitTorrent(実施日:2019/1/28、調達金額:約710万ドル、所要時間:13分25秒(BNB)、14分41秒(TRX))
・Fetch.AI(実施日:2019/2/25、調達金額:約600万ドル、所要時間:22秒)
・Celer Network(実施日:2019/3/19、調達金額:約400万ドル、所要時間:17分35秒)
・MERCI(実施日:2019/5/、調達金額、所要時間:2分)
・XCR(予定)
STO(Security Token Offering)とは・意味
STO(Security Token Offering:セキュリティ・トークン・オファリング)は、資金調達をしたいプロジェクトがセキュリティトークンと呼ばれる独自の通貨を発行し、適格投資家に販売することで資金を集めることを指します。
「セキュリティトークン」とは、株式や債券、デリバティブ、不動産、特許、著作権、サービス利用権など、価値の裏付けがあるさまざまな資産を、ブロックチェーンを用いてデジタル化したものです。
セキュリティトークンの定義はFINMA(スイス金融市場監査局)が発表したICOのガイドラインで定められたもので、その他にもビットコインのような「決済用トークン」、プラットフォームの使用権として利用される「ユーティリティトークン」が存在しています。
仮想通貨の世界で一般的であったICOは、株式を活用した従来の資金調達手段であるIPO(Initial Public Offering)よりも資金調達のハードルが低いというメリットがあります。これは、IPOは会社の所有権の引き渡しに当たるため、経営への関与や利益の分配が必要となる一方、ICOはあくまで対価としてトークンを付与するためです。規制当局への登録や届出についても、ICOでは不要であることから、スタートアップを中心としてICOによる資金調達が注目を集めていました。
スタートアップのための資金調達手段として注目を集めたICOでしたが、詐欺や不正行為を行う者が出始めたことを受け、規制当局による投資家保護の動きが見られ始めました。今ではこの方式は信用が無くなり、ほとんど無くなった
こうして、次に注目をされ始めたのがSTOです。STOでは有価証券などをデジタル化するため、配当をもらえるという特徴をもつ他、ICOにはなかったトークンセールの参加者制限があることも特徴です。
また、ICOよりもしっかりとした情報開示が求められるものの、IPOほど負担が大きくないことも、STOがスタートアップ向けの資金調達手段とされる理由にあります。
プロジェクト(企業)側のメリット・デメリット
<メリット>
・迅速かつ簡単に資金調達ができること
・配当の必要がないこと
・世界中の人を相手に販売できること
・企業の規模に関係なく、個人でも行えること など
<デメリット>
・流動性を確保できるかが不透明であること
・話題性で集まった資金が大きく、期待以上のプロダクトをローンチできない可能性があること など
投資家側のメリット・デメリット
<メリット>
・少額から購入可能であること
・仲介機関(銀行や証券会社)を通さなくて良いこと
・ハイリターンを望めること など
<デメリット>法整備がしっかりしていないことから
・詐欺やコインが奪われる危険性があること
・投資家が守られないこと
・投機目的が多く、価格が安定しない可能性があること
・流動性がなくなった際にトークンや仮想通貨の価格が下がること など
ICOやIEO・STOは、あくまで企業が資金調達を行うためであり、投資家が儲かるためではありません。(結果として儲かることは大切だが、その期間は数年というスパンで見るべき)
企業が世の中をよりよくするためのプロダクトを世に出す為に必要な資金を調達しているのです。従って、ICO・IEO・STOするからと言って、すぐに飛びつくのではなく、その企業が何を目的に立ち上げられ、今後どのようなサービスを提供しようとしていて、誰がその恩恵を受けるのかをしっかりと吟味した上で投資を行うことをお勧めします。
次の講座は「コロナで加速!働き方が変わり、会社が無くなる!」です。
日本円を仮想通貨(暗号資産)に変換する(日本円で仮想通貨を買う)には、日本の金融庁から営業許可を受けている仮想通貨取引所に日本円を振込して、その取引所が取り合っ買っている暗号通貨に変換する(買う)ことからはじまります。
(海外の暗号通貨取引所では日本円を振込することが出来ません。クレジットカードで買えることは可能ですが、手数料がかなり高いと思われます。)
また、海外の取引所に預けている暗号通貨を日本円に現金化するにも日本の仮想通貨取引所に一旦送金して、そのコインを売却することにより、現金化が出来ます。
つまり、日本人が暗号通貨をスタートするには、日本の仮想通貨取引所に口座開設するところからはじまります。下記に取引所の比較をしてますので、参考にしてみて下さい。